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ボッテガ バッグ

ボッテガのバッグを初めて手に取ったときのことは覚えている。思ったより重かった。で、革の匂いがした。甘くもないし酸っぱくもない、あの独特の匂い。編み込みの表面を指でなぞると、本当に一本ずつ革が交差しているのが触ってわかる。プリントでも型押しでもない。それだけで「ああ、値段にはちゃんと理由があるんだな」と納得してしまった。

ボッテガ・ヴェネタがバッグを作り始めたのは1966年。イタリアのヴィチェンツァという小さな街の工房からだ。あれから60年経って、アパレルもジュエリーもサングラスも手がけるようになったけど、バッグが本業であることは変わっていない。ブランドの売上のほとんどがここから出ている。

ロゴの話はしておいたほうがいい。ボッテガのバッグには外側にブランド名が一切ない。グッチにはGGがあるし、ルイ・ヴィトンにはモノグラムがある。ボッテガにはない。あるのはイントレチャートの編み目だけ。知っている人が見れば一発でわかるし、知らない人には「なんかいいバッグ持ってるな」で終わる。どっちでも持ち主は困らない。

どれを買うか

このカテゴリー、44アイテムもある。全部見てから決めようとすると永遠に決まらないから、自分が何に使いたいかだけ先に決めたほうがいい。

**毎日使うバッグがほしいなら、クロスボディ一択だと思う。**斜めがけにすれば両手が空く。買い物袋を持っていようが傘を差そうが邪魔にならない。グリーンのクロスボディはTシャツにジーンズみたいな何もしていない日の格好に一つ足すだけで、なぜか全体がまとまる。理由は説明できないけど実際そうなるから不思議だ。スエードのクロスボディもあって、こっちはレザーほどツヤがなくて、ニットとかコートと喧嘩しない。秋冬向き。ただしスエードは水に弱いから雨の日はやめておいたほうがいい。

**荷物が多い人はトート。**アルコ トートは口がガバッと開いてノートパソコンも入る。底が平らだから自立する。仕事に持っていってもビジネスバッグっぽくならないのがいい。仕事帰りに食事に行っても浮かない。もうちょっと気楽なトートがほしければ、ショッピングバッグのグリーンがある。パンパンに詰めても形が崩れにくいから、一日中外にいる日に向いている。

**クラッチは毎日使うバッグじゃない。**ノットクラッチは留め具が結び目の形をしていてかっこいいんだけど、入る量が本当に少ない。スマホ、カード、リップ。以上。もう閉まらない。1980年の映画「アメリカン・ジゴロ」でローレン・ハットンがボッテガのクラッチを持っていたシーンがあって、あれでブランドの知名度が一気に上がったという歴史がある。だからクラッチはボッテガにとって特別な意味を持つアイテムだ。ただ、普段使いしようとすると三日で後悔するから、ディナーとかパーティー用だと割り切ったほうがいい。

イースト ウエストバッグは横長で薄い。縦に深いバッグだと底で鍵が行方不明になるタイプの人には、たぶんこっちのほうが合う。コッカーバッグは見た目が丸くて小さいんだけど、開けてみると思ったより入る。これはネットの写真じゃ伝わらない。

素材について

全部レザーだと思っている人が多いけど、そうでもない。ストローバッグがこのカテゴリーにいるのが面白い。革じゃなくてストロー素材なのに、ボッテガの編み込みの空気感はちゃんとある。安いカゴバッグとは全然違う。夏とかリゾートで使うと映える。ノットゥルノのスエード仕上げは光沢がほとんどなくて、レザーとはだいぶ印象が違う。マットで静かな感じ。手で触ったときのサラサラした感触が独特で、一回触ると覚える。

旅行で使うなら

トラベルバッグとダッフルバッグがある。空港でボッテガのレザーバッグを持っている人を見ると、正直ちょっとうらやましい。ナイロンのスーツケースの横にあると存在感が全く違う。トイレタリーバッグはホテルの洗面台に置くポーチ。歯ブラシとか入れるだけのものに、このブランドのレザーを使うのか、と最初は思った。でも使ってみると、こういう誰にも見せないところの質が高いと妙に気分がいい。

コスメティックバッグは名前はメイクポーチだけど、充電ケーブルとかイヤホンを入れてる人のほうが多い気がする。バケットバッグは巾着型で上を絞れる。中が見えないから電車でバッグの口が開いていても気にならない。

色の話

ブラックは失敗しない。わかっている。でもバッグに関しては色で冒険しても大事故にならない。服と違って面積が小さいから。全身黒の日にオレンジのバッグを一つ持つだけで全体が変わる。嘘だと思ったら一回やってみてほしい。パープルは見た目ほど難しくなくて、グレーとかベージュの服にすんなり合う。シルバーは完全に夜用。昼間は浮く。でもディナーとかパーティーではすごく映える。グリーンはもう説明不要だと思う。ボッテガの定番色だ。

手入れ

イントレチャートは構造的に頑丈だ。力が一本の帯に集中しないから、ちょっとぶつけたくらいでは壊れない。ただ水はダメ。濡れたらすぐ乾いた布で拭いて、日陰で乾かす。ドライヤーは革がカチカチになるから絶対やめたほうがいい。

使わないときは中に紙を詰めて形を保って、ダストバッグに入れておく。空のまま棚に置くと革の重みで潰れる。潰れたら戻らない。

中に入れるもの

バッグの中身をボッテガで揃える人が意外といる。ボッテガ カード ケースだけ持って身軽に出かける日もあるし、ボッテガ 財布ごと入れる日もある。キーリングで鍵をバッグの内側にぶら下げておけば底に沈まない。全部同じブランドにする必要はない。でもバッグを開けたときに中のイントレチャートが目に入ると、なんとも言えない気分になる。その気分は自分にしかわからない。他人はバッグの中なんか見ない。でもそれでいい。たぶんそれがボッテガの本質だ。